○愛と空腹の強行軍○

 長いから、保存して読んだ方がいいよ

 さて、お立会い。
 俺は、仕事柄、なかなか休みが取れない。
 取れないというより、取ったら取ったで仕事が詰まってしまう上に、自営業の悲しさか、収入に影響する。
 でも、やっぱ、友達の結婚式には出たいわけで、一月前から色々と調整するわけだ。
 友人の結婚式は6/11
 ミレニアムのジューンブライドという大変めでたい日取りで場所は静岡県掛川市
 俺的には、6/10の土曜の午前中の仕事を終えて、釧路空港より羽田へ。
 京浜急行で横浜へ出て、横浜の友達と一笑いして新幹線で掛川へ行き、友人の独身最後の夜を笑ってすごし、
 次の日結婚式で友人代表で歌う。
 その日の夜の飛行機で羽田より千歳へ向かい、千歳より札幌に出て晩飯を食い、寝台車で釧路へ帰る。
 というような行程を皮算用してたわけだ
 
 ってなわけで朝一の便で羽田へ。
 朝食はキューサイ青汁のみ。
 着替え、披露宴用の礼服など持ったら、空港の手荷物カウンターの秤で5.8キロあった。
 およそ6キロか?服だけで。2泊三日(うち車中一泊)で。
 バカか?俺
 釧路の朝の気温7度。羽田着。昼前。気温24度
 東京にしては涼しいそうだが、温度差17度に、俺の体はとまどう。ああ、とまどうともさ!
 ゲリしたね。
 で、羽田でいきなり便所へ。
 ざーっと用を足したあとで便器をのぞくと、便器の中がきれいな緑色になっている。
 めまいしたね。ああ、めまいしたともさ!
 一瞬、何が出たのかわかんなかった。
 朝の青汁だと気付いたのがしばらくしてから。
 今考えると、これが今回の強行軍のタイトルバックみたいなもんで、これからおこるもろもろを暗示しているかのような。
 もし、俺が映画を撮るなら、便器に緑の液体に『東映』みたいなロゴ入れるね。いや、入れないか?その前に映画撮らないけど。

 さて、羽田より京浜急行で横浜へ。
 京急蒲田で一回乗りかえるんだけど、ホームに青汁屋がある。飲んでみたけど、きつくないよ。おいしいよ。
 で、横浜駅、西口シェラトンホテルで待ち合わせ。
 ちょうどお昼くらい。
 で、お見合い
 
 いや、相手はわりときれいな人でね。25歳だってさ。
 名前は忘れた。っていうか、聞いてない。聞いたが覚えてないか?どっちか。
 まあ、感じのいい人ではあった。
 シェラトンの喫茶でなんか飲んで、二人でどっか出かけるということで、元町方面へ。
 元町をぶらついて、なんかそこで食べようと思ってたら、なんだかランチタイム過ぎてしまって、軒並みクローズド
 しょうがないんで、中華街へ。
 俺、中華街あんまり好きじゃないのよ。中華街の露天でまんじゅうとか食うのは好きなんだけど。
 で、色々みまわって、午後3時頃に『萬珍楼点心館』へ。
 ま、高いファミレスって感じかな?
 俺としては、本格的な『スーラータン』(黒酢とラー油のスープ、ふかひれ入り)が味わえたのでOKだが。
 あとは、エビ蒸し餃子、小龍包、野菜とカニのあげもの。など、全て作りおきの香り。
 でも、なんだかんだ話して、5時半くらいに店を出る。
 石川町で別れて、俺は新横浜へ。
 新横浜周辺をちょっとだけ散歩。得に新発見はなかった。

 6時半くらいの新幹線こだまで掛川へ向かう。
 非常に疲れてねむたかったが、ぐっとこらえる。
 いや、その昔、俺、東京駅から山形に行こうとして、うっかり眠って気がついたら盛岡だったということがあるもんで、
 今回、気がついたら福岡だったというようなことになったらしゃれになんない。
 で、一時間半ほどで静岡県掛川市へ。
 友達はすでにホテルにいるので、直行する。
 掛川パレスホテルといって、かなりキレイ。部屋もちょっとしゃれた感じ。
 明日新郎になる友人と、とっくの昔に新郎になってる友人と、いまだ新郎になってない俺の3人で出かける。
 『祭』という居酒屋に行く。
 メニューに「まぐろ」が目に付く。値段は安い
 まぐろ丼なんかを注文したのだが、これがうまい。
 考えてみれば、掛川の近くには漁港で有名な清水がある。
 まぐろの安い部分でも、新鮮ならおいしいことがよ〜くわかった。
 まぐろにのっかってるわさびもおいしかった。わさびも確か静岡に産地があったよね?なかったっけ?
 いや、まぐろがおいしかった。というところで、場所を変えて飲みなおし。
 途中の路地をのぞいて、ピンサロだのヘルスだのを見つける。目的不明の店も発見。
 人口8万人の割には風俗多いぞ掛川市!フィリピンパブとかも複数あるし。
 歌舞伎蝶って店があったが、目的不明の店。「蝶」の文字がなんかいいよね。
 で、結局駅の近くのワインバーへ。
 グラスワイン一杯でへべれけになる。

 くだらない昔話に花を咲かせてホテルへもどる。
 で、俺、かなりアルコールに弱いモンで、酔っ払うと、覚めかけたときに眠れなくなる。
 なんか、目が冴える。寝つきが悪い。
 結局、寝たんだか寝ないんだかわかんないうちに朝になる。
 7時30分起床
 テレビをつけると、タイムレンジャーではなく、一週送れのクウガがやってる。
 もう、見た。いいや。
 ん?タイムレンジャーはどこ行った?ま、いいか。
 そのまま、なんかぼ〜っと過ごす。
 さて、11時10分から披露宴なんだが、受け付けやることになった友人につきあって9時までに式場へ行くことになっている。
 で、そろそろ準備しないとな。
 と思ったら、考えてみれば、チェックアウトしなきゃなんない。
 昨日の服が散らかしっぱなし。あわてて服をしまいはじめる。
 もう、スーツのしわとか、考えてるヒマなし。
 スーツ入れって、普通、平べったくなるでしょ?もう、パンパンに丸くなってんの。
 
 式場は、出雲殿というところ。名古屋に近いせいか、かなり豪華な建物。
 式の最中は、何事も無く進行。
 ただ、何回出席しても、スピーチとか、歌とかのお役目があると、自分の出番までは緊張する。
 自分では十八番だと思ってんだけど、チューブの『君となら』を歌う。
 ん、だめだ、カラオケの腕が落ちてる。やけくそで声を張り上げたら、司会のおねえさんに「熱唱」とかいわれる。
 ケッ
 
 2時くらいに披露宴が終了。
 で、速攻で着替えて、掛川駅へ。
 で、新横浜へ急ぐ。
 横浜で、昨日見合いした人と会う。
 新横浜着午後4時。
 
 横浜着4時30分くらい。
 で、速攻あちらから「お断り」の返事を聞く。
 ううむ、すげえあっさりしてて気持ちがいいくらい。
 逆に惚れた。が、遠距離(釧路、横浜間)で口説く気合も無い。
 笑ってさよなら。
 
 午後7時羽田発の千歳行きの飛行機に乗るには、少々時間がある。
 日曜の中途ハンパな時間だし、伊勢佐木に行く。
 なんか、伊勢佐木も映画館とかつぶれてマンションとかホテルとかになってる。
 が、そんなこと関係なしに、曙町へ。
 もう、ヘルスでヘルスで。
 こんだけあれば、どっか一軒くらいフリーで入れるべ。とか考えてたが、甘かったね。ああ、甘かったともさ。
 まあ、女の子が少ないんだろうな。っていうか、ちょうど遅番早番の入れ替えか?
 なんだかんだで5時30分過ぎる。
 6時に横浜を出ればちょうど7時に羽田に着くから、京浜急行日ノ出町駅へ。
 普通電車で横浜駅へ。
 ホーム向かい側の快速特急に乗り換えて京急蒲田を目指す。
 「あ〜、なんもできんかった」
 とか、思ってため息ついてたら、金沢文庫に到着。
 「あ〜金沢文庫か。」
 とか、思ってから、下り電車に乗ってしまったことに気付く。
 心の中で大声で叫ぶも、顔は平静を装うが、汗がどしゃぶりのように出る。
 反対のホームに走る。
 快速を待つ。
 その間、時計を見なかったが、上大岡通過が6時20分
 京急蒲田着6時45分くらい。
 もしかして、間に合うか??
 と、思ったのもつかの間、羽田行き6時55分のアナウンス。
 もう、この時点であきらめる。
 が、一抹の望みを託して、電車に乗る。
 
 羽田到着7時04分
 いや、もう、だめなのはわかってんだけど、いちおう走る
 カウンターで聞いたら、もう飛んだらしい。
 が、良く考えると、多分滑走路にはいたんだよな。あの時点で。
 まあ、後の祭。乗り遅れたことに変わりない。
 で、しょうがないんで、 発券カウンターで次の札幌行きを買う。
 空席待ちだったが、なんとか8時5分発の札幌行き最終を取る。
 
 予定では、7時発のに乗っていれば、8時ちょっとに千歳に着き、札幌駅に9時くらいに着くので、そこで弁当でも買うか、
もしくは店が空いてるだろうから腹ごしらえするか。とか考えていたのだが、
 8時発だと、ちょっと苦しくなる。
 が、10時くらいに札幌駅に着ければ、ロッテリアくらいはぎりぎり開いてるだろう。
 
 甘かったね。ああ、甘かったともさ!
 
 札幌霧のため、天候調査
 出発遅れる
 当然、千歳到着送れて9時50分
 これで、札幌駅に向かったら、11時発の釧路行き寝台に乗り遅れる可能性が大きい。
 しょうがないので、寝台停車駅の南千歳で待つことにする。
 
 で、ふと小腹がすいたことに気付く。
 で、さらに、売店など全て閉まっていることに気付く。
 寝台車には、当然、車内販売などないし、こりゃ朝まで空腹に耐えねばならないのか
 と、思ったら、急に空腹感が増す
 あるのは自販機ばかりなり。
 たこやきとか、ホットドックの自販機はあるけど、当然だが売りきれ。
 飲み物の自販機と、タバコの自販機だけはしっかり生きているが。
 途方にくれる。
 が、ふと、道中かさばっていた披露宴の引き出物を開けてみる。
 『お赤飯』が入っている。
 やった、これでとにかく腹が持つ。
 と思ったのもつかの間、ハシが入ってない
 最悪手掴みでも食う。ああ、食うともさ
 と思って、ふと見ると、隣のホームの弁当屋のシャッターがちょっと開いている。
 覗いてみると、中に割り箸がある。
 駅員の目を気にしながら、なんとか割り箸ゲット。
 その代償に、左手の人差し指と中指の間をちょっと深めに切る。
 が、それに気付いたのは後日で、そのときはなんとしててで赤飯を食うことで頭が一杯でまったく気付かない。
 
 とにかく、赤飯を食う。
 引き出物をあさる。
 マカダミアナッツ、カステラ、飴
 とにかく食う。
 大きな箱にかつをぶしが入っている。
 しばらく、食うべきか迷う
 が、とりあえず食べないことにしておく。
 お茶で一息つくと、なんか、すごい量を食べたことに気付く。
 
 放心状態

 なんか、やけに寒い。
 そう。
 横浜から、雨にあたり、汗もかいて、体はずぶぬれ状態。
 それが、北海道の気温で冷えて、体温がガンガンうばわれ放題
 冷えること冷えること。
 で、このたび2度目のゲリ
 
 寝台車が着くぎりぎりまで便所。
 なんとか、乗り遅れることなく、寝台へ。
 とにかく、狭い寝台で着替える。
 横になる。
 落ち着く。
 さあ、寝るか。
 と思いきや、
 上の寝台の女性(多分)が夜泣きしやがった。
 「いや〜ん」とか言うんだったらまだゆるしてもいいが、夜泣きだぞ夜泣き
 だが、さすがに疲れているせいか、そのまま釧路到着までねてしまった。
 
 家に着いたら、まず風呂だね。
 汗で体が気持ち悪い。
 家族も、到着したら、そのまま仕事だとわかってるんで、風呂の用意はしてくれてた。
 しかし、湯船にはいったとたん、めまい。このたび2度目のめまい(一度目は青汁のゲリを見てめまい)
 でも、なんか、死ぬかと思った
 
 今回、何回死ぬ思いをしたことか。
 で、収穫らしい収穫がない。
 あったといえば、静岡はまぐろがうまい。ということだろうか。
 あ、静岡の飲み物を探るの忘れてた!


上記は2000年7月あたりにアップしていたものです。